もみじ ハッピーエンドじゃないと許せない(ユグドラシルさん作) - 24 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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もみじ  ハッピーエンドじゃないと許せない 26 完

「・・・!!」
椛の顔がますます赤くなってゆく・・・。
「・・・だめか?」
「そっ・・・それは・・・わかりません・・・」
椛にとって俺から頼みごとをされるだけでも驚くべきことなのに、今までに誰からも言われたことのない言葉に戸惑っている。
「・・・・・・」
俺が言ったことがどういうことか、頭では理解できても、心では理解できなかったのだろう。
「・・・わからないということは、少なくとも俺を嫌いではないんだな?」
「それも・・・わかりません」
椛は戸惑いの表情を浮かべ、首を振った。
どう答えたらいいのかわからないらしく、うつむいてしまった。
「わからない・・・か、椛らしいな・・・じゃあ・・・」
「えっ・・・?」
俺は椛の顎に手をあて、すっと顔を上向かせた。
「・・・あっ」
「こうするのも・・・いやか?」
椛は頭をフルフルと振った。
俺が何をしようとしているのか理解した椛は目を閉じた後・・・小さく・・・そして・・・恥ずかしそうに呟いた・・・。
「いやじゃ・・・ないです・・・」
夕日で赤く照らされた椛の頬がさらに赤く染まってゆく・・・。
そして、2人の足元に伸びた長い影が、少しずつ近づいていった・・・。
「・・・んっ」
優しく、そして永く唇を重ねる。
お互いのかけている部分をお互いに埋め合わせるように・・・。
夕日に照らされながら・・・重なり合って一つになった影法師を落としながら・・・俺達はいつまでも唇を重ねていた。
これから先の俺と椛の関係が、どうなるかはわからない。
だが、これからは良くも悪くも今までとは変わってゆけるのだと思う。
以前の自分ではわからなかったものが、今ならはっきりと感じられるから・・・。
目に見えるものでもないし、言葉で言い表すこともできない・・・。
けれど、確かにここにある何かを、俺は椛と一緒に過ごした時間の中で確かに手に入れたのだから・・

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