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作者:SS投稿作品用
涼宮ハルヒの進級35(SOS団とは別のお話)
「嘘くせぇ」 妹が、哀れみの目で見つめている。そんな目で見つめるなよ。 否定してもしょうがないから話を合わせる。 「バレた?」 「バレバレもいいとこ」 そう言って、再び読書に戻った。 次の日の放課後、部室棟の部室前に麻生先輩と共に立ち尽くしている。 「ここがあたしらの部室になるのさ」 「それはいいけど俺ら専用の部室必要なんですか?」「空き部屋だから一つくらい平気だよ」 いや、そういう問題じゃないでしょ。ていうか、ちゃんと使用が認められているのか? 「……許可は?」 「もちろん非公式さ」 毎度お馴染みの満面0円スマイルを惜しみなく撒き散らしている。笑顔は良い事だけど、この場合は悪に満ちている。 「あなたはなんて……」 勝手な人だ、と、続けようとしたら不意に見知らぬ女生徒が声を掛けてきた。 だけならいいのだが、なんと新しいバンドのメンバーときたら、かなりの驚き様だった。 さぞかし俺の顔はアホ面だったことだろう。