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ゼロと双剣の使い魔 1
ロイドは魔剣フランヴェルジュを腰から外すと母の墓の前に置いた。
クラトスたちを送るとエターナルソードは再び二振りの魔剣に分かれていた。
「・・・母さん、父さんの剣は母さんの傍に置いて行くから」
ロイドは立ち上がると、荷物を手にした。
「じゃあ、言ってくるよ!」
「おう、しっかりやってこいよ」
ロイドは頷き歩き出す。
家の境界線になっている川に架かる橋の上にはコレットとノイシュがいる。
コレットはロイドに気がつくと、ゆっくりと微笑んだ。
(俺たちの世界再生はまだ終わってない。これから始まるんだ!!)
そう意気込んだ瞬間、ロイドはいきなり出現した光に飲み込まれた。
「ロ、ロイド!?」
コレットのロイドを呼ぶ声がどんどん小さくなっていく。
そして光が消えたそこにロイドはもういなかった。
然光に包まれたと思ったら見たこともない場所が目の前に広がっている。
「ここは、どこなんだ・・・?」
ふと見るとなぜかうなだれている女の子がいる。
「ま、また・・・なの・・・」
(何がまたなんだ?)
周りを見てみるとマントをつけた学生だろうか少年や少女たちが自分と少女、そして・・・先生であろうはげた中年の男性を少し離れた所から囲むようにして見ていた。
「ルイズが、またサモン・サーヴァントで平民を呼び出したぞ」
周りの生徒達は誰かが言ったあと突然笑い出した。
「・・・ミ、ミスタ・コルベール、えっと、あの・・・」
「・・・ミス・ヴァリエール、言いたいことはよくわかっています。ですが・・・」
コルベールと呼ばれた男性はなぜか哀れなものを見るような目でルイズを見ている。
「・・・わ、わかってます」
ルイズはどこかあきらめたような表情だったが、表情を改めてロイドに向き直った。
「あんた、名前なんて言うの?」
「お、俺か?俺はロイド・アーヴィングだ」
「ロイド・アーヴィング・・・なんだか珍しい名前ね。あんた感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて普通は一生ないんだから」
なにを言っているんだ?ロイドは首をかしげる。