仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 69 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

サイトトップ >> 仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) >> 69

69

仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜



暗い夜道を腕を組んだカップルが歩いていた。
楽しそうに談笑する様はとても幸せそうだった。
不意に彼等の背後に目を凝らすと何かが、居た。
確かに其処に居る。しかし、見えない。
見えない者は『カメレオン』と呼ばれる改造人間であり、荒岩省吾のもう一つの姿だった。
『カメレオン』のプロテクト・ギアには高度な光学迷彩機能が装備されており、周囲の環境にその身を隠す事が出来る。決して姿を残すことなく、狩りをする…それが『恐怖』に怯える彼にショッカーが与えた力だった。
『カメレオン』は気配を殺し、二人の背後に迫った。だが、そこで異変が起こった。
…動かない?
女の方の頭蓋を砕くつもりで振り上げた腕が動かない。そうしてる間にもカップルは自分に気付かずに歩を進めていく。
…何故?その疑問は直ぐに解けた。
見えない筈の自分の腕を誰かが掴んでいるのだ。
凄まじい力だ。
改造人間であり、人間の数倍の力を持つ『カメレオン』でも振り切る事が出来ない。
カップルの影が完全に遠ざかったのを確認すると、『カメレオン』の身体が宙に浮いた。
次に彼を待っていたのはアスファルトの冷たい歓迎だった。
プロテクト・ギア越しとはいえ、凄まじい衝撃に堪らず、光学迷彩の発動を解いた。
そこで初めて、『カメレオン』は自分の『狩り』を邪魔した者の姿を確認した。
まだ自分より若い、端正な顔立ちをした青年…だがその瞳には強い何かが宿っていた。



ランキング

検索

投稿・ユーザ登録

プライバシーポリシ - 利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス