26
作者:SS投稿作品用
特捜戦隊デカレンジャーSPIRIT(#030)
その頃美奈子は夫の一也を痛め付けていた。父マサトの記憶センサにある設計図を観て、圧巻される彼。
「俺には、そんなマシンを作る能力などないっ!」
しらを切り通す一也。だが、瞬時にその偽りも読まれてしまう。
「嘘よ。アンタはお義父様の弟子として、数々のマシン製作に携わってきた。作れないはずないでしょ!」
夫を脅迫し続ける悪妻。美奈子は、指を鳴らす。
「これを見な!」
一也が見せられたものは、牢獄で父のマシン完成を静かに待つ愛娘の姿だった。ぼろ?の服を着せられ、ふっくら丸みを帯びていた身体は日に日にやせこけていた。
「お父さん…。」
「美由紀…大丈夫か!」
彼女は静かに頷いた。沈黙がしばらく続いた。時間だけがむなしく過ぎて行く。
「気がすんだでしょ、一也。アンタにはたっぷり働いてもらうからね。」
美奈子は、牢獄の重い扉を閉める。
「美由紀っ…。」
「私のオーダーはデカバイザーを超える武装マシン。頼んだわよ一也。」
美奈子は、彼を長時間監視した。