11
特捜戦隊デカレンジャーSPIRIT(#014)
「Wonderful!」
「すごい…こんなの観たこと無いわ。」
「これは…もしかして…。」
「修復されていたのか。」
目の前には巨大なロボが。実はそれこそ、かつて美波の父、レイルが操縦していたデカモビルの一つ、デカバイザーと、そのコクピットにもなるステルス戦闘機ヴァルスだった。この2機のマシンは、圧倒的なパワーとスピードを誇るが、調高性能なRSコンピューターが搭載されており、限られた人間しか操縦することが出来ないのである。その為、宇宙警察界でも長い間伝説となっていたのだ。
「私が乗る。」
真っ先に手を出したサラ長官。システムを起動させレバーを握るが、当然、並の人間が扱えるわけがない。システムが狂い、動かなくなってしまった。
「駄目だ、高性能すぎる!」
「なら、俺が乗ります。」
「私も!」
ドギーとスワンも挑戦するが、案の定結果は同じだった。
「今度は俺が乗る!」「私だって!」
宝児と茉莉花も乗ったが、やはりお約束の結果。
「何故だ、何故乗れない?」
「私たちじゃ、駄目だっていうの?」
焦燥する4人。そのとき、彼等の耳に悲鳴が。
「キャーッ!」
声の正体は美波。宝児がライセンスで地上の様子を確認した。
なんと、危ういことに彼女は怪重機に拐われそうになっていた。
「助けてーっ!」
怪重機の手の中で叫ぶ彼女。
そのとき、奇跡が起こった。先程の2機が彼女の危機を察知したかのように起動し始めた。開く射出口。
「な…何だ!」
「デカバイザーが…起動…!?」
「とにかく上へ!」
階段を駆け登り地上へと上がる3人。そこでは、今にも怪重機が逃亡しようとするばかりだった。ほくそ笑むメカ人間。
「バーン!」
デカバイザーが出撃し、相手にビームを食らった。
「わーっ!!」
狂乱し、相手は美波を放してしまう。
「あっ、危ない!」
スワンが目を押さえた。デカバイザーの腕が伸び、瞬時に彼女をキャッチ。
「よかった。」
涙を浮かべるドギー。美波が閉じていた目を開けると、目の前には巨大ロボが。
「助けてくれたの…ありがとう。」
サラ長官がかなきり声で美波に向かって叫んだ。
「美波、乗れ~っ!」「えっ!?」