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特捜戦隊デカレンジャーSPIRIT(#06)
「そこのロボのパイロット、今すぐ降りてきてくれ、話がしたい。」
美波は少しためらいながらも、指示に従った。ガラス越しにちらりと姿を見せた彼女。すると、その女性はドギーたちに向かってかん?に怒り出した。
「おい、これはどういうことなのだ、何故宇宙警察の機械を民間人に使わせている!」
ドギーはすぐに謝った。
「申し訳ございません、サラ長官、これは彼女が勝手にやったことでして…。」
彼が喋っている間に美波が降りてきた。
「ごめんなさい長官、今後一切このことがないように私共のほうで注意致しますので、どうかお許し下さい。美波ちゃん、貴方も謝るのよ。」
スワンは美波の頭を押し、無理やりおじぎをさせた。
「子供のしたことだ、まぁいい、それより…あんな操作難度の高い機械を難無く扱うことができるとは、大したものじゃないか。」
「いえ、私は…。」
言葉を濁らせる美波。「ん?君…レイルの面影があるな、もしかして…。近藤美波…レイルの娘だというのか!」
「はい、そうです。」美波は大きく頷いた。「君は父親から既に教わっていたのか。」
話していると、スワンが急に叫び出した。
「みんな、危ない!」なんと、破壊されたビルの巨大な瓦礫が目の前に落ちてこようとしていた。だが、美波は鮮やかなキックでそれをこなごなに砕いてしまった。
「すごいじゃない、貴方きっと、ハーフなのよ、頭がいいからチーニョ星(スワンの出身惑星)で怪力だからトート星かしら。」
「多分そうだと思う、よくは判らないけど。」
美波は照れ顔で言った。サラ長官が驚くべきことを言い出した。
「君、宇宙警察にならないか!」
「えっ!」
驚きのあまり言葉を失う彼女。
「君は子供ながら、多大な力と能力を持っている、それを宇宙の平和の為に役立てて欲しいということだ。クルーガー、スワン、面倒を見てやれ。」
「ありがとうございます。美波ちゃん、行くわよ。」
「共に頑張ろう、なっ!」
「はい、よろしくお願いします。」
美波は悲しみを乗り越え明日に向かって走り出した。宇宙の平和を守る者になる為に…。