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もみじ ハッピーエンドじゃないと許せない 14
椛がこの屋敷にきてもう2週間がたつ。今日は日曜で俺は特に予定はなかった。
だから俺は椛を連れて先週の日曜にも行った遊園地に行くことにした。
俺は部屋を出て、通りかかったメイドに椛の居場所を聞いた。
そして教えられたとおり食堂へ向かう。
食堂に行くと、椛は真理に接客のマナーを習っているようだった。
「・・・椛さん、椅子を引く時に音をさせてはいけません」
「・・・・・・」
椛はうなずくと、椅子の背をもって静かに引いた。
「よろしい。その調子です、椛さん」
真理に褒められて、椛は少しはにかんだように見えた。
「・・・椛」
俺が声をかけると、椛と真理は振り向いて礼をした。
「和人様、どうかなさいましたか?」
「ちょっと椛を遊園地にでも連れて行こうと思ってな・・・」
「・・・そうですか」
真理は顔を強張らせ、椛を横目で見た。
「・・・・・・」
「よかったら、真理も一緒にどうだ?」
「・・・いえ、私は仕事がありますから」
「そうか。日曜なのに大変だな」
「そんなことはありません」
「和人さん、私は暇です!」
突然、静流が食堂にやってきた。
「遊園地なんて何年ぶりかしら。最近はすごい絶叫マシーンが・・・」
「・・・・・・」
俺は静流を無視して、椛だけを連れて遊園地にやってきた。
「・・・いいんですか?」
「なにが?」
「静流さん・・・」
「問題ない」
「・・・・・・」
「・・・さすがに、2回目ともなると勝手知ったるなんとやらだな。さて、どれからいこうか・・・」