ヒグラシのなく頃に(消滅編)(クリスタルパロディンさん作) - 110 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の百二十六)

ずいぶん時間が長い・・
「男だったら早くしなさいよ・・」
その時は・・突然来た・・
唇に暖かい感触・・・やわらかくて・・でも・・・この瞬間・・私は・・
「んんっ・・んんんんっ・・・」(ざざっ・・)畳のすれる音が聞こえる
今まで体験したことがなかった・・百年も生きてきて私は初めて知ったのかもしれない・・こんなことホントに今までなかったことだったから・・いつまでもこうしていたい・・
これが終ってしまえばまた私はいつ終わりが来るかもしれない、惨劇の世界に戻らなければならない、でもこのままこれが続くなら・・このまま終わりを迎えることができたなら・・
それでもいいと、感じた・・・こんなこと思う自体私はなかった、どこの世界でも・・
これが私の幸せ?・・みんなの・・ではなく私自身の・・・でも・・その時間は突然、終わりを迎えた・・唇に涼しい夜風の感触・・唇を離した・・その代わり・・頬に何か暖かい・・水?
目を開ける・・そこには・・泣いてるノアサがいた・・・
なんで・・泣いてるの?
「ごめんね・・・」
そうボソッとつぶやいている・・
なんで・・・謝るの?
そういうと、ノアサはばっと立ち上がり、洗面所に向かい必死に顔を洗っている、
その間もずっと同じ言葉を繰り返している・・・
ごめんねって・・・
「ごめんねって・・なんなのよ・・」
「梨花・・もう行きましょうです・・」
その声で私は初めて羽入がいた事に気がつく・・
「羽入・・・」
「ノアサを・・1人にしてあげて・・くださいなのです・・」
私はその言葉にイラッときた・・いつも羽入の言葉にはいらいらさせられるが、
こんな心の底から湧いてくるいらいらは初めてだ・・・
「なによ・・あなただけが知ってるってわけ?ノアサのことを!」
「違うのです梨花、ノアサはノアサは・・」
「ノアサって気安く呼ばないでよ!あんたにそんな資格あるの!ずっとノアサのこと忘れてたくせに!ノアサのこと放といたままずっと自分だけ楽しんできたくせに!ノアサを知ってたのはあなたなんでしょ!なんで!なんで!そばにいなかったの!そしてこんな時だけ!イイ子ぶるつもり?私は・・私は・・私だけなんで何も知らないの・・?」
「あうあうあうあ・・」

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