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ゼロと双剣の使い魔 54
ロイドは双剣を構えると体の中の気を高める。
そして双剣を振るう。
「魔神剣・双牙!」
ゴウッ、と空気がうなり二つの剣圧が衝撃波となって地面を駆ける。
それと同時にロイド自身もダッシュする。
トスッ
(ん?)
何やら後ろの方で物音がした気がしたがとりあえず目の前のものを優先することにした。
地面を駆ける二つの衝撃波がゴーレムの両足に直撃し破壊する。
(やっぱり魔神剣もつよくなってる)
通常の魔神剣ならゴーレムのずぶとい足を一撃で破壊することはできなかっただろう。
両足を同時に破壊されバランスを一気に失う。
すぐに両足の再生を始めようとしていたが完全に再生しきる前にロイドはゴーレムの後ろ側に回り込む。
「魔神剣!」
バランスを崩していたところに後ろからの衝撃によって前のめりに倒れる。
バキッ
(?)
「「「あ!」」」
何かの壊れるような音とルイズ達が何か叫んでいるのが聞こえた気がしたがとりあえず今がチャンスなのでこっちに集中した。
ロイドは倒れたゴーレムの上に高くジャンプし狙いをつけ気を込める。
「くらえ、獅子戦吼!!!」
一気に放出した気が『巨大』な獅子の顔に似た形をとってゴーレムを押しつぶす。
ドオォオオオォン!!!
周りにたくさんの土煙が舞い上がった。
ルイズ達は目を見張る。
タバサでさえも傍目でわかるほど驚きの表情をしていた。
土煙が晴れるとそこにはゴーレムの姿はなく巨大なクレーターが出来上がっていた。
「うっひゃー、こりゃおでれぇた!今度の相棒はえらく強ぇな!」
はしゃいでいるデルフと打って変わってロイドはというと。
(・・・な、なんだよこの威力。こっちに来てから技の威力が強くなってたから獅子戦吼も強くなってるとは思ってたけどここまでなんて。もっと力のコントロールをできるようにしないとな)
心の中で反省とこれからの課題が同時にでてきていた。