ヒグラシのなく頃に(消滅編)(クリスタルパロディンさん作) - 84 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

サイトトップ >> ヒグラシのなく頃に(消滅編)(クリスタルパロディンさん作) >> 84

84

ヒグラシのなく頃に(消滅編其の百一)

「いないんですか?勝手に入ちゃいますよ・・んふふ」
この声は・・・
「開いてますよ・・どうぞ・・」
(ガララ)でっぷりとした男の人・・大石さんだった・・
「いや、学校に行っても君がいないからねぇ・・もしかしてと思ったんですけどね」
「いま、起きたばっかりだったもんで・・何か用ですか?」
起きたばかりのせいか僕の声は不機嫌そうな印象を与えた・・
「いやっ、ちょっと君にいやな報告をしなくちゃいけなかったんでね・・」
そう言いながら・・脇にはさんでおいた上着を置く
「いやな報告・・なら後にしてくれませんか・・今は聞きたい気分じゃ・・」
「安藤宗次さんですか・・死にました・・昨日・・」
体中が・・ジンジンと痺れてくる感覚・・これは・・
「なっ・・朝から何言ってるんですか?笑えませんよ・・そんなの・・」
嘘だと・・言ってくれ・・まさか・・
「交差点のところ・・急に頭に火がついたんだそうです・・そのまま電柱に突っ込んで・・」
・・火・・?
「ついた火がとんでもない高温でしてね・・消防が着いた時には・・・彼の頭残ってないみたいですよ・・きれいに・・」
頭・・残って・・ない・・高温?嘘だ・・あの宗さんが・・死ぬなんて・・あんな・・あんなに・・騒がしくて・・強引で・・嘘・・・
「そんな・・なんで?」
「一応、警察はタバコの事故という事で片付けてますけどちょっと死に方が異常でね・・・」
「それを・・なんでぼくに?」
大石さんは少し間を置いて・・
「いや、君が宗さんに世話になってたと聞いていたからねぇ、いやぁ、麻雀仲間の義理ですよ」
聞きたいのは・・そういう事じゃない・・こいつ・・・・
タバコを・・灰皿に置く・・
「じゃあ、私はこれを報告したかっただけですから・・」
「大石さん・・ほんとにそれで・・話は終わりなんですね・・」
大石さんは振り返りながら
「ええ、それだけです・・」
ヒグラシの声が耳に戻ってくる・・・
それと共に大石さんの車は行ってしまった・・僕はそこにただ突っ立ていた・・だけだった・・時間がない・・・火・・あいつしか・・いない・・

ランキング

検索

投稿・ユーザ登録

プライバシーポリシ - 利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス