仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 5 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜

変身?

その少女はスケッチブックに古びた鉛筆を走らせた。
目の前には穏やかな表情をした老人が座っている。
「えっと…こんな感じかな…?」
少女が背景に影を書き込み、出来上がった絵を老人に見せる。老人はニコリと微笑むと少量の小銭を置き、絵を受け取った。
「ありがとう」
老人は少女に軽く会釈するとその場を去っていった。

少女の名は緑川あすか。年齢から云えばまだ中学生くらいだろうか、だがあすかは学校には通っていない。こうして路上で似顔絵を描きながら稼いでいる。
そもそも彼女には両親がいない。厳密に父親がいないだけで母親はいる。父がいなくなった為か、母は自堕落な生活をするようになり、大量の借金を作り、遂にヤクザに追われる羽目になった。
それがつい三年前の話である。
今は母の知り合いに匿ってもらっている状態であり、お世辞にも良い状態とはいえない。
(お母さんの分まで私がしっかりしなくちゃ…)
そういう思いからあすかは一人で出来る事を始めた。
それは似顔絵を描くことだった。

「今日の売り上げ…二千と二百円ちょいか」
あすかは財布の中身を覗きながら溜め息をついた。
「ふ〜ん。まぁ大したモンじゃねぇか、嬢ちゃんよ?」
あすかは突然介入してきた声に驚き、顔を上げた。そこには如何にもな風体の男が三人、あすかの前に立っていた。
「今日こそ、嬢ちゃん達の隠れ家教えてもらおうか?」
「ふん、借金取りに教えるような馬鹿じゃないよ」
「なんだと!」
借金取りの一人が激昂し、あすかに手を上げた。だが、その拳はあすかに届くことはなかった。
「何だテメェ?」
あすかが気づくと若い青年が借金取りの拳を抑えていた。
「やめろ。まだ子供じゃないか」
「うるせぇ!」
借金取りは残った拳を振るうがそれは虚しく空を切る。青年はいつの間にか背後へ回り込み、その腕を締め付けていた。

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