仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜(風太郎さん作) - 30 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜33

良太郎に憑いたモモタロスは彩の襟口を強引に掴み上げた。

「何で俺達のこと知ってやがる!?」

それに動じることなく、彼を見据える彩。


「質問に答え…」
そこまで言いかけると、彩が素早くモモタロスの目の前に右手を持っていくと彼を人差し指で指差した。

「黙ってろ、イマジン。私は良太郎に話があるんだ。」


静かに、しかし、内に強さを秘めた低い声。彩はイマジンであるモモタロスに一辺も恐れを感じている様子はない。

「こ、このやろ…」

モモタロスはその行動にカチンときたが、なぜか彩に指さされてから体を動かすことができない。
…なんだ?!体が…

「……良太郎」
モモタロスが身動きとれない体でもがいている最中、彩が囁くような、しかしはっきりした声で良太郎の名を呼んだ。

「……約束」

彩の言葉に、良太郎は顔を上げた。

「良太郎…アンタは優しいヤツだ。だから、コイツを迎え入れたのは理由があってのことでしょ?けど…忘れたわけじゃないでしょ…約束…」

その言葉に反応したように、モモタロスが良太郎の体から離れ、良太郎のいつもの表情に戻っていた。
「…約束…隠し事はしない…」
良太郎はそう呟くと、顔を上げた。


「彩ちゃん…ごめん…全部話すよ。」

その瞳には今までの動揺とは違う…強い光が灯っていた。



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