ヒグラシのなく頃に（消滅編其の七十三）

「今度から私の言うとおり動いてくださいませ・・」
「はい・・・」
そう・・返事するしかなかった
ボールを取り次に向かう・・ああ、もしかして、僕ってダメな奴？・・

沙都子ちゃん彼女の指示は的確だった、自分の仕掛けた罠もあるからなのか、もしくは彼女の天性のものなのかはわからないが、僕より確実に早くトラップを見つけそれを回避していきチェックポイントを確実に消化していった
「ああ、もう、端のほうを歩くと危ないって何度言ったらわかりますの！？」
一方ぼくは何度も罠にかかりそうになり
そのたびに彼女のお叱りを受けることになる・・
「すみません・・ほんとに・・」
ああ・・いつの間にか・・ぼく、こんな小さな子に敬語使ってるし・
周りには先に来た子たちがトラップにかかって動けないでいるみたいだ
この子と当たりたくないって言ったの誰だ？彼女がいなかったらぼくはこの周りにいる子と同じ目に合っていたんだろう・・自信満々に・・そう思うと笑えない・・
「ホントにドン臭いですわね！」
「仕方ないじゃないですか・・こっちはなんの情報がないんだし・・」
「情報以前の問題ですわ！トラップがあるのに！そこにあえて踏み込むなんてバカな人、初めて見ましてよ！」
ムカッときた（特にバカって言葉に）
「バカっていうな！中国の偉い人の言葉に（死中に活を見出す）って言葉があるんだよ！」
「ホントに死んでたら意味ないでしてよ！」
「もしかしたらって！思ったの！実際途中までうまくいってたじゃん！」
「あれは、まんまとはめられたと言いますの！」
「いやっ、あのトラップさえ気づけば完璧だった！」
「へりくつを！あなたみたいな人が！詐欺に引っかかるんでしてよ！」
「なにをぉ！」
気づけばなんかケンカになってた・・なんかぼくも意地張ってるし・・
「はぁ・・はぁ・・とりあえず・・共同戦線を張ろう・・それでいい？」
「元から・・はぁ・・はぁ・・そのつもりでしてよ・・」
めっちゃ疲れた・・