76
ヒグラシのなく頃に(消滅編其の九十三)
ははっ・・子供やな・・わいも・・でも・・いい気持ちや・・
みんなええ人ばっかり・・誰もお前を1人にせん・・
・・・知っとるんや・・
お前が夜中に震えながら起きてること・・(ごめんね)ってずっと言いながら起きてること
昼間しか寝れんこと・・わかってた・・でもその理由を聞けへんまま・・お前はいなくなった・・怖かったんや・・また消えたんやないかって・・・・今度はおった・・
このまま連れ戻すつもりで来たのになぁ・・なんか・・いいやん・・ここ・・ワイは行こう・・ここは・・ノアサの舞台や・・アサ公は・・もういらん・・
「あれっ?宗さんもう行っちゃうんですか?酒も飲まないなんて珍しい」
「仕事がまだすこぉし残ってるさかいな!」
「また来てくらさいぃ!お待ちしてまぁぁす!」
「魅音飲んだだろ?」
「へっ?何を!」
「ああっ!僕のお酒減ってる!」
「ははっ、じゃあな!ノアサぁ!」
「えっ?」
バイクが快調に動き出す・・行く当てなどない・・ただ・・この幸せを独り占めしとうて・・
いいや違う・・ここからはわしの人生・・やっとこれた・・ここに・・長かったな行こう、ノアサ以上の幸せ掴みに!見てるか!浩太!兄ちゃん本気やで!
(そう、幸せな時間はもうじき終る・・楽しみな・・野木麻人・・新しい僕よ・・)
暖かな空気・・でも・・なんだろ?こんなに暖かいのに・・体の何かがなくなったみたいに・・スース―する・・変なの・・こんなに騒がしいのに・・
「どうしたのですか?ノアサ?ぼぉっとして・・」
「えっ?」
気がつくと梨花ちゃんが足元にいた・・魅音さんは完璧に出来上がってしまったみたいで
前原さんと沙都子ちゃんに介抱してもらってるみたいだ・・てかっ前原さん・・二人にぺこぺこしてるけど・・何なんだ?