ヒグラシのなく頃に（消滅編其の三十三）

そこにいたのは・・・小さな子供・・・３人組・・薄汚れた布で作られたぼろぼろの服を着てる・・・
男の子が２人・・女の子が１人・・・息を潜めて・・壁際に隠れている・・・

（やっぱやめようよぉ・・・）
頼りなさそうな・・・声を出しながら・・小さな男の子が・・大きな男の子のすそを引っ張る・・・
（しっ！静かにしろ！大人たちに気づかれるだろう？）
（ううぅ・・・だってさっきから足が・・がくがくして・・・）
小さな男の子の手を隣の女の子が小さな男の子の手をぎゅっと握った
（大丈夫・・・大丈夫だから・・ねっ？）
それが効いたのか・・足の震えが徐々に止まる。
（そうだ・・もうすぐ大人たちの時間だ・・それまでもうちょっと待てよ・・・）
（うっ、うん・・・）
しばらくの沈黙・・おずおずと小さな男の子が口を開く・・・・
（あのさっ、もうすぐここ出られるんだよね・・・もう痛い思いしなくてもいいんだよね？）
（ああ、そうさ・・この計画がばっちり成功すれば！俺たちは・・・えっとあれっ？なんだったけか？）
（じゆう・・・でしょう？）
（そう！それ！）
（そしたらさ・・・あのさ・・ここ出ってたら二人とも何したいの？）
（えっ・・ここを出たらか？・・・そうだなぁ・・・）
（はいはい・・・一度でいいからお化粧品買ってオシャレしてみたい・・・）
（・・って！俺の話は無視か？）
（しー・・・）
大きな子供はゆっくり口を手でおおう・・
（わっ、わりぃ・・・）
（でっ・・でも美奈はそんなことしなくても・・・十分・・かわいいと・・思うけど・・）（なっ、おおお前・・・・）
（なに・・顔赤くしてんの？ユユ）
（うるさい・・おれはそういう会話に慣れてないんだ・・）
（そういう会話って？）
（聞くな・・・）