ゼロと双剣の使い魔(クルシスさん作) - 46 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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ゼロと双剣の使い魔 47

偽善者、それは以前にも言われた言葉。
ロイドの中では過去の出来事が呼び起こされ言いようのない感覚に襲われる。
ロイドは左手のエクスフィアを見つめ右手でそれを覆う。
そしてルイズに目を向ける。
「別に何かしたから何かしてほしいなんて考えてないさ。ただ、目の前で困ってる奴がいるのに見過ごせるわけないだろ?それともお前は何か見返りが欲しいからこの話を引き受けたのか?」
「な!?そ、そんなわけないじゃない!」
「だろ?なら別にいいじゃないか。それに・・・」
「?それに、なんなのよ」
「ドワーフの誓い第2番 困っている人を見かけたら必ず力を貸そう!」
ロイドが体を乗り出し力強く言った。
それにルイズとキュルケは目を丸くし、アマンダは驚いて振り返り、タバサさえ読んでいた本から目を離しロイドを見た。
「・・・なにそれ?」
「俺が小さい時から親父に教わってきたドワーフの誓いだ」
「ドワーフって、あんたドワーフだったの?」
「俺は普通の人間だ。ただ、いろいろ事情があってな、俺の育ての親がドワーフだったってだけだ。ま、小さいころからだから親父ってことに違和感なんかないけどな」
ロイドのその話を聞き、アマンダはしばし目を見張った。
しかし、ロイドはそれに気づき見ると慌てて視線を前に戻した。
「ふん、ドワーフの誓いだか何だか知らないけど、あんまり出しゃばるんじゃないわよ」
「だから、別に出しゃばったつもりなんかないって」
「ふふふ、ダーリン、ルイズなんかほっておきなさいよ。自分が言おうとしてたことダーリンに先に言われて苛立ってるだけだから」
キュルケはそう言いロイドに腕をからんできた。
「!?な、なに腕組んじゃってんのよ!それになんであんたまで来てんのよ!」
「だって、あんた一人じゃ危険なんだもの。ねえ、ゼロのルイズ」
「・・・どういう意味よ」
「だって、いざ戦闘になったら魔法もろくに使えないあんたなんかいたって役に立たないじゃない。悪くすれば最初に狙われて終わりでしょ?」
「誰が役に立たないっていうのよ!それに魔法だって!」
「魔法?誰が?笑わせないで!」
2人は火花を散らし始める。
タバサを見ると再び読書に戻っていた。
「はあ、言い争うのはいいけど俺を巻き込むなよ」
ロイドのその声もその二人には全く聞こえないのだった。

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