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とある無能力者と超能力者 5-6
「そんじゃアタシは学生寮だから、あと15分で寮官に捕まるし、黒子は何か怪我したって言っておくわ。じゃあね~」
美琴は手を振りながら走っていく。
「おい!待てって!」当麻の声は届いているだろうが、走り続ける美琴。
「まぁ、家帰ったら見るかな。まぁ、まず帰ろう。
今日は1日が長すぎた。
当麻は家に着いた。
そこで黒子の寝ているすぐ横に美琴の携帯らしきものを見つける。
(このストラップ的に御坂のだな・・・・んまあとりあえず、)
当麻は、常盤台女子学生寮に電話した。
当麻が携帯を発見したとき、美琴はタイムリミットぎりぎりでゴール出来た。
「御坂か。ぎりぎりのゴールだな。減点しようと思ったんだが・・・」
これがあの悪魔の寮官である。御坂は間に合ったのにジリジリと後ろに退いている。
「まぁ、間に合ったらいいか。ところで・・・」
「ところで何でしょうか・・・寮官さま?」美琴の額には汗が伝っている。
「白井は?」
ギクッと言わんばかりに美琴の動きが止まる。
「もう一度しか言わない。白井は?」寮官の体からは謎の黒いオーラがどよめいている。
「え・え~と、少々、風紀委員の仕事でケガをしたらしいので、今は友人宅で療養中です。」
「そうか。ならいいんだが。」
プルルルルルルルッ
電話の音が鳴る。
「はい、もしもし?はい、そうですが、御坂?」
御坂と呼ばれた瞬間、反応する。
「またあーゆーやつかしらね。もうイヤだわ。」
あーゆーというのは美琴がたびたび受けているファッション雑誌の可愛いモデルのことだ。
こういう系の勧誘は何度断っても続く。
すると、
「御坂、男の子から電話だぞ。どうやらお前の携帯を拾ったらしいな。」
えっ!?携帯?、確かにない、美琴は内心でどこに落としたのかと焦る。
それは携帯のカレンダーの今日の日付のところには
『アイツに告白』
と書いてあるのだから。
「あ、もしもし。恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」まだ名前を聞いていなかった。
「上条当麻だけど。」