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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の百四十ニ)
「ねぇ、羽入・・・私、変かな?」
さっきとは違う急に心細い声
「どうしたのですか?ミナ」
「私・・今が幸せに感じるの・・変な・・のかな?」
「そんなことないのです、僕も幸せなのですぅ、だって二人に会えたんですから・・」
「そう・・よね、そうなのよねぇ、誘拐された時は・・怖くて・・寂しくて何度もお姉ちゃんや、雛見沢にいるミオやレナレナのこと思い出しては泣いてたのにね・・泣きたくて泣いて・・それでもどうしようもなかった時・・」
「ノアサとユユが来たのですよ!」
急に羽入の声が大きくなっていく
「そう、ノアサは大げさ過ぎるって程の泣き虫・・私が心配になちゃったぐらい・・・あの子を落ち着かせてたら、私の涙はとっくに乾いてたの・・そして対照的だったのはユユ・・ふふっ、図太いってのかな?こんな絶望的な状況なのにね・・あの子なんて言ったと思う・・」
「それはですね」
二人の声が一緒になる
「タダで外国旅行なんてラッキー中のラッキーだ!」
気持ちいいほど牢屋に響く
「後こんなことも言ったのですぅ、今は夢の世界にいるみたいだって・・」
「よく覚えているのね羽入、偉いぞ・・」
そういって手が羽入をなでる素振りをする
「バカだって思ったわよ・・気持ちいいほどのバカ、だから幸せなのかな?この子が言う夢の世界・・少しわかるような気がするの・・私もバカがうつちゃったのかな?」
「ノアサも忘れちゃダメなのですぅ、」
「そうね・・ノアサはかぁいいもの・・この子の寝顔を見てれば・・ぜぇんぶ、今が幸せならいいって思っちゃう」
「ユユはどん臭いって言ってるから・・仲が悪いのでしょうけど・・」
「あらっ、わからないの、羽入?」
「ふぇっ?」
「じゃあなんで、ユユは必死になってトランプのイカサマをノアサに教えてると思うの?」
羽入は必死に考え込む素振りを見せる
「ううぅ、ううんー、わからないのですよ」
「ノアサを気に入ってるからよ・・ユユは素直じゃないけど、意地悪じゃないわ」
羽入はまだ考えているどうやらミナの言葉をまだ理解してないみたいだ
「ホント・・二人に会えてホントによかった・・」
「明日も一緒なのです」
「ええ、遅くなっちゃった、また明日・・3人で・・頑張りましょう・・」
視界がだんだんぼやけていく
「いつまでも3人で一緒にがんばっていこう・・」
視界が暗くなる・・