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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の二百七)
みんな・・みんな・・僕の・・ために・・僕なんかの・・ために・・
「さぁ、ダンスもフィナーレだ・・」
やめて・・・やめてよ・・・
手を突き出す・・真っ赤な・・炎が・・
「いやぁぁぁぁ!りかぁぁ!」
燃えてる!梨花ちゃんが燃えてなくなちゃう!やめて!もう・・・やめてぇぇぇぇ!
「ノアサぁ・・そこにいるのですかぁ?もう、ぼく・・なにも見えないのですよぉここですかぁ?」
小さな感触・・小さな手が・・探るように・・ぼくの足に・・
「こんなところに・・いたのですかぁ、また泣いてるのですかぁ?ノアサは泣き虫なのです、なでなでしてあげるのですよ」
こんなに近くなのに・・もう体を動かすことも・・できない・・動け・・動けよ!うごいてくれぇぇぇぇ!
「やっと、ノアサに追いついたのです・・もう・・怖くないのです・・一緒なのです・・
いつも一緒なのです・・ノアサのことやっと全部わかったのです・・だから・・もう・・ごめんなさい・・言わないで・・いいのです・・」
あああっ・・消さないで・・消えないで・・・
「スキ・・なのですよ・・・ノ・・ア・・・サ」
落ちていく・・嫌だ・・消えないで!消えない・・・で
(ドン!)下から鈍い音・・もう・・ブスブスと燃えてく音しかしない・・
「ノアサ・・やっとお前を惑わすものが消えた・・きれいなものだな・・燃えて散っていく人間と言うものは」
なんでお前が消えなくて・・あんな・・あんなにイイ子が・・あんなに・・あんなに・・あんなに・・・
「消したのはお前だノアサ、あの子は最後まで信じてた・・お前のことをな・・お前が自分を信じられなくなった・・ただ・・それだけの話だ・・」
お前が・・お前が言うんじゃねぇぇぇぇ!
「はははははは!悔しいか!殺したいか!この僕を!だが!遅かったな!」
何をする気だ!・・これ以上!
「さぁお前らが信じる神は今、死んだ!さぁ!私が憎いだろう!殺したいだろう!身の底から湧いてくる炎に逆らうな!その炎に身を任せ!私に全てをぶちまけるのだ!祭りをぉ続けろぉ!」