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作者:SS投稿作品用
仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜24
良太郎は一つため息を吐くと、再び話し始めた。
「僕もよく絡まれたんだ」
苦笑いと共に良太郎は身震いした。
半ばそれがトラウマになっていると言っても良いのかもしれない。今では修への感情は"恐怖"の方が強いのだと自分でも気づき始めた。
昔は仲が良かったはずなのに…あれからは修くんに街で会う度に周りの取り巻きたちが、彼から遠ざけるように絡んでくる。まるで修くんが過去を自分から遠ざけるように…
名前付きの財布が良く活躍するようになったのもそのせいかな…良太郎は苦笑いした。
「彩ちゃんがした約束はね…バレンタインデーの売上が修くんが辞めたお店と同じ以上になること…そうすれば修くんが今の不良グループを抜けて家に帰ってくるって」
修くんが働いていたお店は街でも評判の大きなお店なんだ。売上も相当すごいらしくて…常連客も多いけど、やっぱり規模の小さい彩ちゃんの店だと難しいことみたい。
…彩ちゃんはそんな約束を本当に果たすつもりなんだ。
「だからか…」
ウラタロスの頭に彩の必死な姿が浮かんだ。