虚無と無限の剣製者(ゼロ使×Fateクロスオーバー)(神薙麗一さん作) - 6 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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虚無と無限の剣製者8

何処までも続く荒廃した大地。
赤茶けた空に浮かぶ巨大な歯車。
墓標のように立ち並ぶ、数多の剣群。
形状も概念も違う、一つとして同じものが無い。
「ここは…」
ここは、『衛宮士郎』の心象世界。
そして、現実を侵食する固有結界『Unlimited blade works』。
衛宮士郎の使える魔術は、全てここから派生している。解析、強化、投影…そして、固有結界。
異端である魔術師と言う存在の中に在って尚、異端とされる、衛宮士郎唯一にして究極の一たる『力』。
そんな世界の赤い荒野をただ進む。
踏み出す足は裸足。肌の上に直接赤い外套を纏うという扇情的な姿。
「なんでさ」
この世界においても自分は女の子のままであった。

不意に気配を感じ振り返る。
剣の丘に、その赤い男は立っていた。
髪は白く、肌は褐色、そして聖骸布で出来ている赤い外套を纏ったその男は…
「アーチャー…」
それは、士郎の可能性。九を救うために一を切り捨てる判断をした、衛宮士郎の理想の成れの果て。
『ほう…随分と可愛らしい姿になったな』
挨拶も無しに投げ掛けられる嘲笑を含んだ笑み。
「何の用なんだ、エミヤ」『ふん、可愛らしい姿になっても口の悪さは相変わらずか。それに使い魔とは…全く難儀な人生を送っているな…』
そんな風に言葉を交わしながら近付いてくるアーチャー。彼我の距離は1メートルといったところか。
『女になって背が縮んだな』
エミヤの身長は180を越えている。対する士郎の身長は160前後といったところ。必然的にエミヤに見下ろされる形になる士郎。
「う、うるさいっ…気が付いたらこうなってたんだ。それに…何でココでもこの姿なんだよ」
自分の世界であるはずのこの場所においても女の子の姿のままなのだ。
『おそらく、変化した身体に精神が引き摺られているのだろう。今のお前は『衛宮士郎』であって『衛宮士郎』では無い。もはや俺とお前は別の存在と云うことだ』神妙に答えるアーチャー。(そんな態度をされると、こっちもやりにくいんだが)

アーチャーの態度に驚きながらも先ほどの質問をもう一度する。
「で?結局何の用なんだ?」
『警告、とでも言っておこうか。今のお前の身体と魔術回路は「異常」なくらい相性がいい…。何故、そうなったのかはわからんが…』

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