もみじ　ハッピーエンドじゃないと許せない　２

・・・ならば、なぜこんなにも紅葉のことが気にかかる？


俺は・・・わからない。
椛のことを知ったせいで俺は自分のことがわからなくなってしまった。
このような状態を許すわけにはいかない。俺はつまずいてはいけない人間だ。俺が進む道には、石ころひとつ落ちていてはいけない。
だから・・・俺は、椛という小石を拾うことにした。
椛の里親が経営する会社（もとは紅葉の両親のものだ）そこに裏から手を回して倒産寸前に追い込み融資をするための条件として椛を住み込みで働かせるように言った。
奴らは大喜びで承諾した。椛は家族のうちに入っていないのだから、当然のことだった。俺はそんなクズどもの会社などつぶしてやるつもりだ。もちろん債権はきっちり回収するが、それは俺の仕事ではない。
・・・そして、椛は俺の屋敷で暮らすことになった。
どうなるかはわからないがとりあえずしばらくの間、様子を見ることにしよう。椛がどんな人間なのか見極めてやる。何がおれの気を引くのか。椛自身でも知らないことまで、徹底的に調べつくしてやる。身も、心も。そうすれば椛のことを気にすることもなくなるだろう。



しかし



それは大きな間違いだった。