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作者:SS投稿作品用
特捜戦隊デカレンジャーSPIRIT(#036)
メカ人間は滅んだ。だが、美奈子の策略はこれで終わりではなかったのである。
その頃美奈子は一也にあるモノを手渡していた。
「さぁこれを。」
「これは、一体…。」
一也の問いを無視し、こう言った。
「いいから、口に入れなさい。」
一也が渡されたのは、真っ黒な実だった。何が何だか分からず、ぼうっと彼女の顔を見つめるだけ。
「さあ早く。」
少々ヒステリックになる美奈子。言われるがまま、それを口に運ぶ一也。
「うっ…。」
あまりの苦さに顔をゆがませる。
「我慢なさい。男でしょ。」
ようやく実を飲んだ一也。同時に睡魔が襲って来た。
「少し眠ってなさい。ごめんなさいね。辛かったでしょう。」
ようやく敵をなぎ倒した美波。先へ進もうとするが、徐々にシャッターが閉まっていく。
「急がなきゃ!」
力いっぱい走り、ギリギリのところで進めた。だが安心している暇は無かった。
目の前に幾つものシャッターがあり、それが次々と閉まろうとする。
「パトスライダー、フェイスオン!」
ヴァルスの後部が分離、変形。ボード状になって彼女の元へとやってきた。