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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の四十七)
時間は昼食の時間・・いつもなら楽しく昼食をお互いつつきあってるのだが何故か俺たちの席は変な緊張感に包まれていた・・・なるほど・・これが梨花ちゃんが怒ってる理由か・・・
机には魅音の弁当、さすが園崎家まるでお重のようなお弁当、豪華・・この一言につきる俺の弁当は極めて平均的、
お袋が、近所からもらった漬物や山菜のおひたしを使ったり出来合いのおかずを使ったりする、普通といえば普通だ・・・
沙都子と梨花ちゃん二人のそれぞれの弁当はいつも梨花ちゃんが作ってるらしい・・今日は・・そうか、たくさんの川魚の焼き魚やすり身、昆布巻きや里芋、とても女の子1人で作ったとは思えない(それを言ったらレナもすごいんだが)、沙都子の話だと昨日近所の魚釣り名人広吉じいちゃんにたくさんの川魚をもらったらしい・・いやっ、さして今そんな事が問題じゃない・・・俺を含めみんなの目線はある一点を集中的に見つめていた・・そう・・・あるはずのない、三つ目の弁当箱・・・これが・・問題だった・・
梨花ちゃんがいつも作る弁当は二つ・・沙都子の分と自分の分・・・もう一つはいつものメンバーにはいらないはず・・そういつものメンバーなら・・魅音が最初に口をあける。
「あの、梨花・・その・・・」
おずおずと三つ目の弁当箱を指差す
「なんですか、魅ぃ魅ぃ?」
顔は笑ってるが・・なんか怖い・・
「いや、あの・・」
「その弁当誰のですの?」
沙都子まだ早い!
「さぁ、誰のでしょう?今朝ボクは寝ぼすけでフラフラのクラクラだったのでちょっと数を間違えたかもしれないのです。」
(ありえない)・・・誰かがそうつぶやいた気がした(おそらく魅音辺りか?)
「圭一どうしたのです?食べないのですか?」
「いやっ、その、」
梨花ちゃん・・かなり変な迫力が・・・そうだ!
「この弁当は!そう!レナがいないから量が足りてないんだと思って、みんな足りないと思って作ってきただろ?」
「そっそうだよぉ、みんな成長期だからねぇ!足らないと思って余計に作って来たんだよねぇ!梨花は友達想いだねぇ!」
魅音ナイス支援!
「そうですわぁ!梨花は友達思いなのですわ!だからノアサの分・・・あっ」
沙都子ぉぉ!それ以上話をややこしくするなぁ!