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作者:SS投稿作品用
仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜31
「古賀彩、あの店だと手が出せなかったろ?」
和也はニヤリと口元を釣り上げた。
「それが…」
薫が恐る恐る今までの経緯を口にした。
……
彩の店にいた妙にモテる怪しいメガネのバイト…「へぇ…そいつが客数稼いでんだ…それで?そいつに追い返されて帰ってきたのか?」
その言葉に薫は青ざめた。和也の肩を組む腕に力がこもる。それが、薫の首に食い込んで締め付けた。
「す…すいま…せん…」
苦しくて上手く喋れない…恐怖で更に縮こまる薫。
「……ま、いいや。」
一気に先ほどの軽い口調に戻ると、和也はパッと薫の肩を離した。
「今回は様子見だし」
やっと和也の腕から解放された薫はゲホゲホと首を押さえてむせた。それをまったく気にする様子もなく、和也は彼を背にしてゆらりと歩き出した。
「それにしても…古賀彩に野上良太郎以外にバイト頼めるようなヤツがいたとはね…」
和也の浮かべていた口元の笑みが一気に消える。
「気に入らないんだよね」
低い声で呟くと、和也はゆらりと闇へと姿を消した。