10
とある無能力者と超能力者 2-9
「あっ、ありがとうございます。」
佐天は左手で涙をぬぐい、右手で当麻の左手を掴み、引っ張ってもらい立つことができた。
先ほどまでキレていた美琴は初春と共にお菓子を見に行った。
少し重い空気になったからだろうか、気を使ってくれたのだろう。
ー美琴と初春が色んなお菓子の店の前を歩いていると、
「あたしは黒子のお見舞いにと思ってまんじゅうを買おうと思うんだけど・・初春さんはどう思う?」
「・・・・・」美琴が話しかけるが、初春は口をポカーンと開けている。
「え~と初春さん?お~い!」
「・・・・あっ、すいません御坂さん。ちょっとボーとしてました。」
「・・佐天さんのことだよね?ったく、あの馬鹿は何考えてんのよ!」
美琴は頭の中に当麻を思い浮かべる。
すると、「えっ!?御坂さんはかみじょーさんのこと知ってるんですか?」
と初春が物知りたそうな目をして美琴に聞く。
「ま~ね。とゆーかアイツと一緒に来たんだけどね、、ハァー。」
美琴は頭に手を当てながらウーンと言ったが、それは命取りになる。
刹那、横からの鋭い視線に気付く。
「もしかして、白井さんの言っていたど畜生ウニ頭ってかみじょーさんのことなんですか?
そしてその人は確か御坂さんの・・・・キャー!!これは何が何でも話してもらいますよ~!」
初春のあまりのテンションの上がり具合に美琴は一歩退き、
「あ、アハハ~。初春さん盛夏祭の時みたいなテンションだねぇ~アハハ~」
食いつかれないようにという美琴の必死の抵抗、(初春さんはこうなると押さえられない)
そのように美琴は踏んだ。
(この状態から逃げてはやくアイツと合流しないと・・・)