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仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜50
「約束だったもんね…私が"右手で指差した相手の時間を止めること"」
柔らかな彼女の表情に、今までカリカリしていたぴょん吉は肩をすぼめてため息を吐いた。
「そうだけど…」
ぴょん吉は口をもごもごさせて俯いた。
「あれは!!…あれは…アンタが心配だったから…それに、"私の力"って何よ…??」
ぴょん吉は彩の最後の言葉が気になっていた。力を使ったのはぴょん吉自身…さも自分の力のように言う彩に疑り深い視線を送る。
「何だかんだ言って、ぴょん吉は私のこと助けてくれるでしょ?私はカイみたいに力はないけど、信じられるアンタがいる。これが私の"力"。友情パワーってやつよ」
彩は胸を張るとニンマリ笑ってみせた。
「…彩」
ぴょん吉は彩の言葉に表情を緩ませた。
「アンタって…結構頻繁にクサいこと言うわよね」
吹き出しながらぴょん吉は彩の肩をバシバシ叩いた。
"信じられる"
…ぴょん吉はイマジンとか、契約とか、そういうものなしで自分を信頼してくれる彩の気持ちが嬉しかった。
「う、うるさいなぁ!!言わせたのはぴょん吉でしょ!!ほら!!早く帰るよ!!」
顔を赤くすると彩はぴょん吉に先を急ぐように促した。
「…しかも、カイにはかなわないにしても、一般人にしては相当強いと思うわよ」
先程の彩の言葉へのツッコミが続く…
「あぁ〜!!うるさい!!!」
彩は顔を真っ赤にするとぴょん吉の背中を強引に押して家路を急いだ。