もみじ ハッピーエンドじゃないと許せない(ユグドラシルさん作) - 13 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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もみじ  ハッピーエンドじゃないと許せない 15

順番を決めるのも面倒なので前回と同様のコースにした。
「・・・つまらん」
「・・・・・・」
俺がつい本音をこぼすと聞いたわけでもないのだが椛もコクコクと小さく頷いた。
どうやら椛も本心で俺と同じ意見だったようだ。
まずお化け屋敷だが、なんだかうるさいだけで、全然怖くなかった。所詮は子供だましということか。
次にジェットコースターだが、あっという間に終わってしまった。ジェットというわりには家の自家用機より全然遅い。周りの連中はキャーキャー言っていたが、そんなに騒ぐほどのものだろうか?
そのほかにも色々とのってみたがどれもこれもつまらなかった。
何やら前回も同じ感想をこぼしていたような気がするが・・・勘違い・・・ではないだろう。


そして俺たちは最後に観覧車に乗った。
巨大な車輪が回転し、俺たちを乗せたゴンドラがゆっくりと地上を離れていく。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
俺と椛は無言で外の景色を眺めた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
・・・外を見ながらも、俺は何となく視界の端の椛が気になった。
考えてみれば、密閉された空間に二人きりなのだ・・・。
「・・・・・・」
「・・・あっ!?」
「えっ?」
気がつくと俺は無意識のうちに椛の手を握っていた。俺はあわてて手を放した。
「す、すまん・・・」
・・・俺は、なにを謝っているんだ?
「いえ・・・べつに・・・」
椛は、俺に握られた手を反対の手で握りしめ祈るように胸に抱いた。
顔がほんのりと赤くなっているような気がする。
俺は、椛の行動の意味をはかりかねた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
それっきり俺たちは無言のまま、顔を合わせるのを恐れるかのように外の景色を見続けた。

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