もみじ ハッピーエンドじゃないと許せない(ユグドラシルさん作) - 8 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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もみじ  ハッピーエンドじゃないと許せない 9

「・・・・・・」
このまま、時間を無駄に過ごすのももったいない。
しかたなく、俺は椛に話しかけることにした。
「椛、昨日はよく眠れたか?」
「・・・・・・」
椛はうつむいたまま弱々しく首を振った。
「どうしてだ?」
「・・・・・・」
「家族と離れて悲しかったか?無理矢理純潔を奪われて悲しかったか?それとも・・・」
「・・・・・・」
「アソコが痛くて眠れなかったか?」
「・・・!」
俺の言葉に椛はビクッと肩を震わせた。
そして顔を上げ・・・俺をにらみつけるかと思ったが、目を合わせることすらせずにまたうつむいてしまった。
「・・・・・・」
感情を消すことはできても、肉体の感じる痛みは消すことができない。
そして、快感も・・・。
「まだ痛むのか?」
「・・・・・・」
椛は小さくうなずいた。
「そうか・・・」
俺は思わず、すまなかった、と言いそうになってしまった。
しかし、今更謝ったところでなんの慰めにもならない。
もう手遅れだった。
俺も椛も、後戻りはできないのだ・・・。
「・・・とにかく、休めるときには休むことだ。俺のためにもな・・・」

そろそろいい時間になったな。椛と話すのもこれくらいにしておくか。
「・・・そろそろ寝るとするか」
椛は俺のつぶやきに無反応で、ジッとしている。
「・・・椛」
俺は椛の肩をつかんだ。
しかし、椛は人形のように動かない。
俺はかまわず、椛にキスする。
「ん・・・」
椛はピクリともせず表情も変わらなかったがわずかに瞳が揺れたように見えたのは、気のせいだろうか・・・?
「・・・椛、こい」
「あっ・・・」
俺は椛の手を引いて俺の方へ引き寄せた。
「今日は一緒に寝るぞ」
「・・・・・・」
俺が引っ張ろうとしても、椛はぬいぐるみを抱いたまま動こうとはしなかった。
「・・・こっちへ来い」
俺がもう一度手を引っ張ると、椛はベッドに倒れ込んだ。
「きゃっ」
「俺と同じベッドで寝られるなんて、光栄に思えよ」
しかたなくといった様子で、椛は俺に背を向けて横たわった。

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