もみじ ハッピーエンドじゃないと許せない(ユグドラシルさん作) - 3 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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もみじ  ハッピーエンドじゃないと許せない 4

「・・・・・・」
椛はわなわなと体を震わせて目をそらした。
「わかっているとは思うが、学園では今までどおりに振るまえよ」
「それじゃ、メシにするか。椛、一緒にこい」
「・・・はい」
俺が食堂に向かうと、椛も遅れないように小走りでついてきた。
食堂に入ると、待ちかまえていたメイドが2人、頭を下げた。メイド長の真理と静流だ。
「おはようございます、和人様」
「おはようございます」
俺はいつものことなので挨拶を返すこともせず、2人の間をとおってテーブルについた。
「・・・椛の分はどうした?」
俺は真理にたずねた。
テーブルの上には、1人分の食事しかない。
「用意してございませんが」
「・・・・・・」
俺は、𠮟責の意味を込めて静流をにらんだ。
「ほらぁ、だから言ったじゃないですか。和人さんに頼まれたって」
静流は俺の視線を軽く受け流して、真理をひじでこづいた。
「お言葉ですが、和人様。使用人が主人と食事をともにするのは問題があると思いますが」
「椛は使用人じゃない。何度も言わせるな」
「しかし・・・」
「くどい!」
「・・・」
俺が一喝すると、真理は口をつぐんだ。
「・・・椛、お前もそんなところに突っ立ってないで座れ」
「でも・・・」
「椛も俺と一緒に登校するんだぞ。遅れたらどうする?」
「・・・!」
椛は目を見開いた。何か驚くようなことでもいったか?
「はいはい、椛ちゃんはここね」
そう俺が考えていると静流が手早くテーブルに椛の分の朝食を並べ椅子を引いた。
「・・・」
静流に手招きされ、椛は俺にうかがうような視線を向けた。
俺がうなずいてやると、椛はおずおずと椅子に座った。

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