もみじ ハッピーエンドじゃないと許せない(ユグドラシルさん作) - 15 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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もみじ  ハッピーエンドじゃないと許せない 17

いつもと同じように夜、椛が俺の部屋にやってくる。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
俺は椛を見つめた。
話しかけるわけでも放っておくわけでもなくただジッと椛を見た。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
椛も、こちらを見つめ返してくる。
椛が俺に対してこんな反応を示すようになるとは、予想外だった。
少し前までは話しかけでもしない限り、椛は俺の視線など無視していただろう。
俺を見つめる椛の顔は、相変わらず無表情見える。しかし、ただ暗いだけだった瞳の中に、かすかな光が見えるようになったと思うのは、俺の気のせいだろうか?
もしかして俺は、椛のことを自分に都合よく見ようとしているだけなのかもしれない・・・。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
俺が微動だにせずいつまでも見つめていると次第に椛の眉尻が下がって、困ったような悲しいような顔になった。
「・・・・・・」
俺はゆっくりと椛に近づき、その顔に手を伸ばした。
「・・・!」
椛が、ビクッと首をすくめる。
「・・・俺が、こわいか?」
俺は、思わず椛にそう聞いてしまった。
「あっ・・・」
椛はハッとして顔をあげ、髪が乱れるほど力強く首を横に振った。
「いいえ・・・いいえっ・・・」
「・・・・・・」
俺は、そっと椛の頬に手を触れた。
「あ・・・」
「・・・・・・」
椛の目が潤んでいる。
「・・・ごめんなさい」
「・・・・・・」
椛は自分が俺を傷つけてしまったと思い、積みの意識を感じているのだろう。
「いいんだ・・・椛・・・」
こんなにも壊れやすい心をもった少女を、今まで傷つけてきたのは俺のほうなのだ・・・。
「和人さん・・・」
俺が頬をなでてやると、椛も俺の手に頬をすり寄せてきた。
「・・・あったかい・・・」
「・・・・・・」
しばらくして俺はその手を離す。
「・・・・・・」
椛はどこか名残惜しそうな顔をしているように見えたが・・・見間違いだろう・・・。
「・・・椛」
「はい・・・?」
・・・俺は、前々から気になっていたことを椛に聞くことにした。

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