KINGDOMHEART〜欄外妄想(ウェルシュさん作) - 8 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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KINGDOMHEART〜欄外妄想

どうしてここにいるのか。なぜ他のノーバディはいないのか。なぜ消えていないのか。
機関員たちのひまつぶしと言えば、時々降ってくるリンゴを待つ時間だけ。
リンゴは、地上の時間で朝に一回落ちてくるのだが、牢獄の中はぼんやり白く光っているだけで時間などさっぱり分からない。
機関員たちはそれぞれ、岩だなに座っていた。
その岩は高さや太さがバラバラの円柱で、たまにぼんやりと赤く光る。穴がぼこぼこあいていて、その穴からは太くて黒くて、とても重い鎖が出ている。そしてその鎖は機関員たち1人1人の両手首と両足、さらに首の合計5ヵ所をつないでいた。
絶望の静寂と空腹の苦しみを味わっているのに、なんの感情も出てこないまま、ただひたすらリンゴが降ってくるのを待っていた。
そんななか、突然真上から一筋の光が差し込んできた。だが、今まで暗闇の中にいた機関員たちにはとてもささいな光でも眩しかった。同時に、心がないのに、暖かいと感じていた。少し嬉しいと感じていた。
だが、光の中にいた人物を見てまた絶望を覚えた。
それは自分達を倒した裏切り者の本体と、機関を偽っていたねずみだったからだ。でも1人だけ希望を持った者がいた。

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