ゼロと双剣の使い魔(クルシスさん作) - 20 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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ゼロと双剣の使い魔 21

「・・・ちがう」
ぼそっと少女が呟いた。
「ん?何が違うの?タバサ」
赤髪の少女、キュルケは、今まで黙々と本を読んでいた友人であるタバサが、ロイドとギーシュの決闘を見て呟いたことに内心驚きながら、聞いた。
「・・・逃げていない。相手の攻撃を見極め、かわしている。戦いなれた者の動き」
「ふーん、そうなんだ。私にはわからなかったけど」
キュルケはロイドを見た。タバサに言われて気づいた。
ロイドのあの目は確かに逃げている者の目じゃなかった。
ワルキューレをじっと見て攻撃を予測し、かわしている。
それに気づき、タバサの言うとおりロイドが戦いなれているのだと理解できた。
「そういえばそうね。あの動き、とても素人には見えないわね」
それにタバサはコクリと頷く。
そして視線をロイドから本に戻し、もくもくと読み始めた。
「あら、最後まで見ないの?この決闘、どっちが勝つか楽しみじゃない?」
「いい。わかってるから」
キュルケはその言葉を理解しかねた。
確かにロイドが、戦いなれているということはわかった。
だが、ギーシュもドットとはいえメイジのはしくれだ。
戦いなれているからと言って魔法も使えない相手にそう簡単に負けるはずはない。
キュルケはそう思ってならなかった。
しかし、タバサはわかっているといった。
それは、ロイドが勝つことが分かっていると言っているように聞こえた。
キュルケは視線をタバサからロイドの方に戻し、決闘の行方を見守ることにした。

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