ゼロと双剣の使い魔(クルシスさん作) - 15 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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ゼロと双剣の使い魔 16

昼食時ロイドは食堂ではなく、外をぶらぶらと歩いていた。
教室でみんなと一緒に突っ込んだことが気に入らなかったらしい、昼食を抜かれてしまった。
「はぁ、腹へったなぁ。朝だってあんまり食べてなかったのに」
腹を抱えて壁に手をついた。
「ロイドさん?どうなさいましたか?」
振り向くと、大きな銀のトレイをもったシエスタが心配そうにロイドを見つめていた。
「シエスタか。なんでもないよ」
その時、ロイドのお腹が鳴った。
「ふふ、お腹がすいているんですね」
「・・・まあ、ね」
「こちらにいらしてください」
シエスタはそう言い歩き出した。
ロイドが連れて行かれたのは食堂の裏にある厨房だった。
「ちょっと待っててください」
ロイドを厨房の片隅に置かれた椅子に座らせると、シエスタは小走りで厨房の奥に消えた。そして、皿を抱えて戻ってきた。
「貴族の方々にお出しする料理の余り物で作ったシチューです。よかったら食べてください」
「いいの?」
「ええ、賄い食ですけど・・・」
シエスタの優しさが心地よかった。スプーンで一口すすって口に運ぶ。
「うまい」
ルイズがよこしたスープとは大違いだ。温かくて具も豊富に入っていてそれでそばで優しく微笑んでいてくれる。
本当にうまかった。胃にしみわたっているようだ。
「よかった。お代わりもありますからごゆっくり」
ロイドは夢中になってシチューを食べた。
「ご飯もらえなかったんですか?」
「授業の時に失敗してみんなと一緒に突っ込んだら昼食取り上げられたんだ」
「貴族にそんなことを!?」
「何が貴族だよ。俺たちと何ら変わりないただの人間じゃないか。ただ魔法が使えるってだけで使えないやつを虐げるなんてしていいはずないだろ」
「ロイドさん、勇気がありますね・・・」
シエスタは、唖然とした顔でロイドを見つめている。
「ありがとう、おいしかったよ」
「お腹がすいたらいつでも来てくださいね。こんなものでよかったらお出ししますから」
「ああ、ありがとう。そうだ、なんか手伝えることないかな。お礼に何かしたいんだ」
ルイズの下着の洗濯なんかする気にはなれないが、彼女の手伝いならしたかった。
「そうですか?ならデザートを運ぶのを手伝ってください」
シエスタは微笑んでいった。
「ああ、そんなことでいいならお安い御用だ」
ロイドは大きく頷いた。

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