ゼロと双剣の使い魔(クルシスさん作) - 9 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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ゼロと双剣の使い魔 10

「こいつって、サラマンダー?」
「ええ、そうよ。火トカゲよ。見て?この尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ?ブランドものよー。好事家に見せたら値段なんかつかないわよ?」
「そりゃよかったわね」
苦々しい声でルイズが言った。
「攻撃してこないのか?」
ロイドは身構える。
ロイドの世界でもサラマンダーはいたし、戦ったこともある。かなり気性が荒かったはずだ。
「平気よ。私が命令しない限り、襲ったりしないから」
キュルケはにっこりと笑った。
「グゥゥ」
フレイムと呼ばれたサラマンダーはロイドに近寄ると足に頭を擦り寄らせてきた。
「うお!なんだこいつ!?」
「あら、フレイムが私以外になつくなんて珍しいわね」
ロイドはすり寄っているフレイムの頭をなでてやると、気持よさそうに目をつぶった。
「ふうん、あなたお名前は?」
「ロイドだ。ロイド・アーヴィング」
「ロイド・アーヴィング?珍しい名前ね」
「ま、そうだろうな」
名前を聞かれて珍しいといわれるのにももう慣れてしまった。
「じゃあ、お先に失礼」
そういうと、炎のような赤髪をかきあげ、キュルケは去っていった。
フレイムもそのあとを追う。どこか名残惜しそうだったように見えたのはロイドだけかもしれない。
キュルケがいなくなると、ルイズはこぶしを握りしめた。
「くやしー!なんなのあの女!自分が火竜山脈のサラマンダー召喚したからって!」
「別にいいじゃないか。召喚なんて」
「よくないわよ!メイジの実力を測るには使い魔を見ろって言われているぐらいよ!なんで私があんたなのよ!」
「悪かったな人間で。でも、お前らだって人間だろ」
「メイジと平民じゃ、オオカミと犬ほどの違いがあるのよ」
さっきまで怒っていたルイズが今度はどこか得意げに言った。
「・・・そーかよ」
(ったく、魔法使えるとか使えないとか。そんなんで人の価値が決まるわけねえだろうが)
ルイズの会ったときから今まで聞いたその差別的な言葉の数々にロイドはイセリアの村長を思い出し苛立ちを覚えてしょうがなかった。

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