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作者:SS投稿作品用
仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜53
良太郎の気持ちを受け止めるように、ウラタロスは静かにと頷いた。
【うん…僕もだよ。だから、はっきりさせよう。今日のバイトで】
ウラタロスは良太郎に答えるように真剣な瞳で見つめ返した。
…その時…
「きゃ〜〜〜!!」
どこからともなく叫び声が…
しかも、何やら聞き覚えのある…癖のあるだみ声…
「誰かと思えばウラ君じゃない???」
恐る恐る振り返るウラタロス…
【うわっ!!】
その姿を確認する前にウラタロスは白くてフワフワした腕にいきなり抱きしめられ…砂の体はその勢いで弾け飛んだ。
「あら、案外華奢なのね」弾け飛んだ砂に焦る様子もない白いフワフワ…
「うっ、ウラタロス!!」
いきなりのことに、良太郎はウラタロス…の形をしていた砂に駆け寄る。
「何やってんの??ぴょん吉。」
オロオロする良太郎の背後から、またもや聞き覚えのある声…
一瞬、良太郎の表情が緩む。
「…彩ちゃん」
良太郎のもとににゆっくりと歩いてくる彩。
先ほどまでの出来事のせいか…離れている時間はほんの数時間だったのに、良太郎には、彼女のいつもの笑顔がとても懐かしく思えた。