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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の九十八)
そう言ってスタンバイしてた男が小さめのハンドガンを一番端の子供に手渡す・・
その子は外国の・・女の子・・体が震えてる・・ゆっくりと男の言われるまま銃口を額につける・・・いつまでたっても・・引き金に・・指が行かない・・
「おっと、皆さん!いつものルールは!」
「10秒以内に!発射する!」
外にいる奴らがとんでもないことを復唱してる・・
「そう、そうしないと前にいるおっかないおじさんから!弾丸をもれなく!プレゼントぉ!ラッキーだね!当たらなくてもプレゼントなんだから!」
なに言ってんだ・・こいつ・・怖いおじさんって・・・目の前で銃を女の子に照準定めてる・・・あの人!?
「10!9!8!7!6!5!4!3!2!1!ゼロ!」
観客はそれをうれしそうに
「助けて・・ママぁ」
(パァ―ン!)
(どさっ)女の子はそれを言うと血を流し・・無機質に倒れた・・
「ああ、くそ!腰抜け!」
「だから!一番はだめってあれほどいったじゃん!」
「いいねぇ!最後にママァだって!・・感動しちまったよ!」
なに言ってんの?人・・死んでのに・・なんで・・この人たち・・
目の前が・・ゆれる・・ゆれてる・・
「さぁて次の子は?」
次は・・肌の黒い・・黒人の子供のようだった・・同じ様にハンドガンを渡される・・
男の子はその銃をさっと取った・・男の子は同じ様にこめかみに銃口を突きつける・・
「神様・・神様・・」
そう言いながら・・手を引き金に当てる・・・・・
(カチッ!)はずれ・・
次の子へ・・無言で手渡される・・誰も・・何もしない・・
「くそーアイツじゃなかった!そしたら・・もうアイツにかけるしかねえじゃねえか!?」
(カチッ!)はずれ
(カチッ!)はずれ・・やがて・・
すっと・・黒い物体が目の前に現れた・・