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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の五十一)
「えっと・・ハンバーグセットと・・えっとビールで・・あっ・・」
「ハンバーグセットとそのっ・・ビールですか?」
しまった!いつもの癖で!
「いやちがっ・・」
「ああ、その子にはビール出してやってや!」
入り込むように宗さんが言う
「安藤さん・・その子16でしょう、出してあげたいのは山々だけど・・未成年だしねぇ」
宗さんはにやりと不敵に笑いながら
「よっちゃん、この子を普通の子と一緒にしちゃいけんのぉ、このアサ公はな・・わしがたまたまペットボトルに入れといた焼酎をな普通の水と間違えて飲んだことがあんねん・・5リットル丸まるや・・」
「ごっ、5リットル!」
「そや、普通の奴ならとっくに失神してあの世行きの量や・・しかし、とうのアサ公はけろりや・・吐きもせんかった・・」
「まさか・・」
「だからビール位、大丈夫やて・・今日はコイツに楽しんでもらいたくてここに来たねん!頼むわ!ほんま!」
そういって手を合わせる、ビール一つでこんな展開になるとは思わなかった・・
「しかし・・・店の手前もあるし・・」
「店いうても、今の時間帯は少ないもんやんけ!ケチケチせんと!」
「じゃっ、条件!」
そう言って男は指を突き立てる・・この指の突き立て方・・どっかで見た気がする・・・
「おっ、なんや!」
「いやねぇ、さっき女の子ばっかり囲まれるの見て思ったんだけどさ・・最近客層が偏ってんだよ・・この店」
「まぁ、べっぴんさんばっかり集めとるさかいなぁ・・」
その会話を聞きながら周りを見るとなるほど・・訳のわからない意味不明な会話があちらこちらから聞こえる、汗臭いし・・太ってるし・・なるほど・・マニアと呼ばれる人種か・・
「やっぱり・・15時を過ぎないと逆属性はいないのでありますよ!隊長!」
「何ィ!貴様は私が間違えたと!そういいたいのか!貴様ぁ修正してやる!」
「殴るのは反対なのです!ここは平和的手段をとろうではありませんか」
うるせぇ・・・酒の一つも飲めねぇ下戸のくせして・・
「でっ、いいの!ホント!いやぁ助かるよ!」
「かまへんよ、その方がおもろそうやし」
なんか・・話まとまったみたいだけど・・