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ゼロと双剣の使い魔 8
「そろそろ起こすか」
ロイドはベッドの方へ向かうとルイズに呼び掛ける。
「おーい、ルイズ、起きろよ。朝だぞ」
「うぅん・・・って、誰よあんた!?」
ルイズは寝ぼけた声で怒鳴った。ふにゃふにゃの顔が痛々しい。
「誰って、ロイドだけど。お前が召喚したんじゃないか」
「え?あ、ああ、使い魔ね。そうね、昨日召喚したんだっけ」
ルイズは起き上がるとあくびをした。そしてロイドに命じる。
「服」
「ほらよ」
椅子にかかった制服を放り投げた。
「下着」
「・・・それは自分で取った方がいいんじゃないか?」
「そこのクローゼットの一番下の引き出しに入ってる」
(あ、聞いちゃいねぇや)
とことんロイドを使い倒すつもりのようだ。
ロイドはため息をつき、クローゼットの引き出しを開けた。
・・・ロイドがこっちに来てからどれだけため息をついただろう。
(つーか、ため息つきすぎると早く老けるんだっけ?)
などと考えんながら適当に下着をつかみ放り投げた。
下着を身につけたルイズは再びだるそうに呟く。
「服」
「さっき渡しただろ?」
「着せて」
いいかげんにしろよ、と怒鳴って振り向いた。下着姿のルイズがけだるそうにベッドに座っていた。
「平民のあんたは知らないだろうけど、貴族は下僕がいるときは自分で服なんて着ないのよ」
ルイズの言葉にはムカついたことしかない。
それになんだか下僕呼ばわりされてるし。
「貴族だとか平民だとか関係ない。自分でできることもしないような人間は将来ろくでもない人間にしかならないんだぞ」
「あっそ。生意気な使い魔にはお仕置き。朝ごはん抜きね」
ルイズは指を立て、勝ち誇ったように言った。
(・・・こいつは)
ロイドは今までにないほど怒鳴りたいのを我慢した。
自分でも褒めてやりたいほどだと思ったくらいだ。
さすがにごはんを抜かれるのはきついのでしぶしぶルイズの服を着せてやることにした。