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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の百八十八)
それは・・ホントはレナにしてはいけない・・質問だったのかもしれないでも、たまらくて・・つい・・出てしまった
「レナ・・は・・あると思う・・」
小さくか細い声でやっとそれだけ答えてくれた
「例えばね・・例えばの話ね・・誰かを好きになった人がいて・・その人に誰か相談を持ちかける、でもその人もその誰かが好きで・・でもその相談を持ちかけた人のことも大好きで・・その人・・どうすると思う?」
「好きなんだろ?告白しちまえば・・いいじゃねぇか?」
「でもね・・その人はそうしなかった・・その人は自分がその人にやろうとしてたことを全て教えるの・・幸せになってくれるように」
「なんで?そんな事する必要があるんだよ?」
「その人と・・別れたくないから・・自分1人が我慢すればこのままの友達関係が普通に続く・・そうすれば同じ様に学校に来て同じ様にお喋りすることができるから・・」
「・・みんなの幸せと・・自分自身の幸せは・・いつも同義ではない・・」
ふと、思いついた言葉だった・・でもまるでどこかで聞いた事があるような言葉・・
「うん、そうだね、そうだと思うよ・・その子ね、多分誰もいない場所にいったら、泣いてるんじゃないかな?1人で・・相談してくれる人もなくて・・・多分1人で全部心の奥に詰め込んで・・無理やりにでも・・」
「それは・・幸せなのか?」
「幸せはいつも一つの形が決まってるわけじゃない・・せめてその場にいることが温かいって感じられれば・・それは幸せってことじゃ・・ないのかな?」
「あいつは・・幸せじゃ・・なかったてのか?俺たちと一緒に部活して!笑って!もう1人仲間が増えて・・そんな中で・・ずっとあいつはそんな事を考えてたのかよ!」
感情的に・・言葉が出てくる・・止めようとしても・・もう・・遅かった・・
「俺たちは!間違ってたのか!?ただ毎日を楽しく笑いあって生きようと精一杯今日を生きようとした!それすらも間違ってたのか!?」
「間違って・・ないよ・・でも・・合ってもないと思う・・自分の幸せって勝手なものだから・・ついね・・自分がそこにいないって・・錯覚することがあるの・・」
「自分が・・そこにいない・・?」