とある無能力者と超能力者(エドラドさん作) - 37 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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とある無能力者と超能力者 5-1

当麻と美琴は誰もいない橋を歩いていた。誰かが来ないという確証はないが、誰も来ない気がするこの暗い橋。

美琴が当麻のことを本当に好きになったのも、ここでの出来事がキッカケだった。

絶対能力進化実験と妹達、この事件では、すでに当麻は記憶を失っている。

なのにも係わらず、赤の他人であったであろう御坂美琴を妹達を助けたのだ。


まだ辺りは、ほんのり明るい。9月の上旬であるためだろうか。

たまに吹く風が美琴の明るく茶色の髪を揺らす。
その少女は、誰もが一度は振り返って見てしまうような美しい顔をしていた。

美琴の頬に何かが流れているように見えたのは単なる見間違いであろう。

しかし、当麻はチラチラと美琴を見ていたが、見間違いなどではなかった。
そう思った当麻は「御坂、何で泣いてるんだ?」

美琴は体をビクッと震わせる。そして一度立ち止まり、

「グスッ、泣いてなんか・・・・ないわよ。


~ふ~。あんたは鈍感だもんね。
今、アタシが何考えてるかなんてわかんないでしょ?」涙を鼻ですすった美琴の声は涙を含んだ何とも言葉には表せないものだった。

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