仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜(風太郎さん作) - 44 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜47

〜彩たち〜

「あ〜ぁ…弱すぎじゃない?」

彩の首を締め付けるカイの手に力がこもる。

カイは苦しむ彩の表情を楽しむかのように口元に笑みを戻した。

「俺、弱いヤツに指図されんの嫌いなんだよね。反撃もできないくせに、デカいことばっか言ってんじゃねぇぞ、凡人」

彩は抵抗もできず、微かに開いた瞼でカイを睨みつけるだけで精一杯だった。
「ほら、何もできないだろ?凡人はおとなしく…」
そう言いかけたカイの動きがピタリと止まる。

カイの目の前に彩が人差し指を持っていき、彼を指さしていたのだ。

「は?一体何のマネ…」


その先の言葉が出てこない。


彼の動きはピタリと止まってしまったのだ。

「…お前、何したんだ」
どうやっても動かない自分の体を震わせてカイが彩を睨む。そうしているうちに、彩の首を絞めていたカイの手がゆっくりと開いた。

「…げほっ、うぇ…げほっ」

彩は咳込みながらやっとのことで新しい空気を吸い込んだ。そして、カイを指さしたまま、もう一方の左の手で自分の首元の彼の手をはがした。

「凡人…ね。げほっ、これだから力だけ強い奴は嫌いなのよ。力があれば自分が一番だって勘違いして…何したんだ?知りたい?」


カイは彩の言葉にハッとしたようにぴょん吉に視線を移した。


「お前か」


「ぴょん吉は時間を操るイマジン…時間の操作も微調整すれば、相手の動きも思い通りにできる。これ…アンタに教えてもらったことなんだけど…忘れてた??」


彩の後ろでぴょん吉が震えていた。


ぴょん吉が彩の指示に従って、一時的にカイの時間を止め、彼の動きを止めたのだった。


彩は一歩前に出ると、先ほどカイが自分にしたのと同じように、目一杯顔を近づけた。

「これが私の"力"。相手のこと押さえつける"暴力"だけが力だと思うなよ、変人。」


自分を睨みつけるカイにニヤリと笑うと、からかうように言い捨てた。


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