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ヒグラシのなく頃に(消滅編其の百七十ニ)
「はははははははは!笑ってよ!みんな笑ってよ!」
周りの観客はとうに沈みかえっていた・・
「どうしたの?今から面白くなるのに?どうしたの?」
何人か後ろから黒い服の人たち入ってきたんだけど、ゆっくりと照準を合わせれば簡単に倒れちゃうんだ・・だから、簡単に消えちゃった・・・
「おい、これアトラクションかなんかだろ?」
「でも、これ・・」
完全に慌ててる・・最高・・
「レディースアンドジェントルマーン面白いことを思いつきました・・これはみなさんで遊べるイベントです・・今から鬼ごっこしましょう・・鬼は僕・・皆さんはこの船内を僕につかまらないように逃げてください・・はははははははは」
そう言ってぼくは目の前の防弾ガラスを溶かしたんだ・・お客さん・・びっくりしてた・・そしてね、聞いて・・僕はきれいに焼いたの上手に・・だって手をかざすだけで消えてくんだもん・・ぜんぜん面白くないからね、武器を銃に変えたの・・撃つの何度も何度も・・
僕を笑ってた人たちがミジメに逃げてくの?おかしいよね?おかしいよね!
「いやっ・・いやぁぁぁ!」
「残念・・しっかくぅ!」
(バン!)
もっと見せて僕にミジメで汚らしい姿を・・僕に見せて・・
「うごかない・・うごかないよぉぉ・・殺しちゃったぁぁ・・殺しちゃったぁぁ・・」
僕の口が勝手に動くんだ・・お前・・誰?涙も勝手に流れるんだ・・何で?ああそうだ・・僕は・・
「ノアサ・・お前は・・黙ってみていろ・・この惨劇を・・僕はアンサー・ド・ノアぁ!この世界に降誕せし神と呼ばれた悪魔ぁぁ!」
そう僕は・・アンサー・ド・ノア・・かつて・・・火の神と呼ばれ敬われ恐れられた・・悪魔ではないか・・
そう・・僕は・・
「逃げろ!逃げろミジメに逃げろぉぉ!」
「うおおおおおお!」
(ダダダダダダ!)(ジュワ、ジュワ)
そいつさ・・何度も何度も僕に機関銃を向けるんだ・・無駄だってわかんないの?
(ドサッ)