仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜(風太郎さん作) - 40 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜43

〜電ライナー〜
「おぉ!!うめぇじゃねぇか」
モモタロスが彩のクッキーを食べると歓声を上げた。可愛らしく一口サイズに型で抜かれたクッキーはこんがりキツネ色に焼きあがって、口に入れると柔らかい甘さが広がる。なんとも優しい味だった。

「あ…おいしい」
良太郎が少し驚いたようにクッキーをまじまじと見つめた。
「何言ってんの??彩さんはお菓子屋さんでしょ?おいしいのは当たり前じゃない」
コハナが不思議そうに良太郎に目をやる。
「彩ちゃんね…その…昔はちょっと…ってゆうか、かなり不器用で、よくこのクッキーを作って持ってきてくれたんだけど…なんてゆうか…こんなにおいしくなくて…」
良太郎は昔を思い出しているのか、苦笑いする口元は少し痙攣して見えた。
「でも、これはすごくおいしいですよ」
ナオミがニコニコしながらクッキーを頬張る。


「良太郎、ちょっといいかな?」
ウラタロスが良太郎に声をかけた。
振り向いた良太郎は不思議そうにウラタロスを見る。

「彩ちゃんのことなんだけど…」
心なしか声を潜めるウラタロス。



…その時、食堂車の扉が開いてオーナーが入ってきた。
「これは何の騒ぎですか?」
食堂車にいた、いつものメンバーが机にむらがっているのが目に入ったようだ。
「彩さんが作ってきてくれたんです。オーナーもお一つどうぞ!!」
ナオミがオーナーに手渡そうとクッキーを差し出した…

「あなたたち、時の運行を乱しましたね…」


…一瞬の沈黙…

クッキーを目にした途端、オーナーは急に低い声になった。


「…え?」
良太郎は訳が分からずに表情を固めたままオーナーを振り返る。



「これは"今"の時間のものじゃありません…」



「は?まさか賞味期限切れ…」
モモタロスが口を挟む。「そんなわけないでしょ!!バカモモ!!」
コハナがモモタロスをビンタすると、頭を抱えたままの彼を後目にオーナーに歩み寄った。
「それって、どういうことですか?」


「…正確に言えば、これを作った人物がこの時間の人間じゃないということです」
オーナーは真っ直ぐ良太郎を見据えると低い声で言った。




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