仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜(風太郎さん作) - 20 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜23

ー3ヶ月前のあの日

「約束してきた!!」

そう言って、君はいつもみたいに笑った。

「そんな無茶な約束…」

僕の心配なんかよそに…叶うことはないかもしれないのに…

それでも、君は、すごく嬉しそうで…






〜電ライナー〜

「約束?」
良太郎が机に突っ伏したままウラタロスに顔を向ける。
今日も一日中ウラタロスに体を貸していたせいでヘトヘトなのだ。


…約束…
あの日の彩の嬉しそうな顔が良太郎の頭をよぎる。

「…修くんのこと…かな」
良太郎が少し強張った表情になる。



僕と彩ちゃんにはもう一人、幼なじみがいた。

"古賀 修"(コガ シュウ)

僕たちの2つ上で彩ちゃんの従兄。彩ちゃんの働くお菓子屋さんのオーナーであるおじいさんの孫で、本当のあのお店の跡取り。お菓子への情熱は人一倍あって、口下手だけど、真っ直ぐで、優しい人だった。

…けど、修くんが中学を卒業してから全てが変わった。高校に進学せずに外の大きなお菓子屋さんで働くって言ってた。周りの反対を押し切って…
中卒で就職なんて考えられないし、第一幼すぎる。そんな周りの言葉なんて聞こうともせず、修くんは働き始めた。

「でも…結局、修くん、そのお店辞めちゃったんだ。僕はお菓子屋さんのこととかよく分からないけど…周りの人のイジメとかが、ひどかったらしくて…」
良太郎は視線を落とす。
「あんなにお菓子作るの大好きだったのに…」


ウラタロスの中で彩の言葉が蘇る。

『目指すものへの思いが強かった分、それが折れちゃった時の痛みは大きいんだ…』
彩の表情が今までになく悲しげに見えた。

「…それから、修くんは家に帰らなくなって、段々街の不良グループと一緒にいるようになった。…彩ちゃんは修くんに帰ってきてほしいんだ。だから、何度も修くんに会いに行って…だから不良グループに煙たがられてよく絡まれてた。」

…他にも理由はあるんだけど…


良太郎は最後の言葉だけ口に出さずに飲み込むと、視線を落とした。

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