仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜(風太郎さん作) - 0 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー電王〜千の偽り、万の嘘、たった一人の君の幻〜1

…どんなに偽りを並べても、逃れられない真実がある

…どんなに嘘で塗り潰しても、隠しきれない本当がある


それを思い知らせてくれたのは…君だったのかもしれない…



朝の透き通った光が緩やかに射し込む窓辺。
火にかけたヤカンから小さく立ち上るお湯の沸く音。ここは、喫茶店"ミルクディッパー"。まだいつもの賑やかな常連客の声も響かず、朝の静かな日差しの中で一人、野上良太郎は開店準備に追われていた…

『姉さんが帰ってくるまでだからね。お店の外に出るのも禁止!!』
「はいはい、分かってますって」

……開店準備に追われている…訳ではなく、何やらブツブツと独り言を言っているように見える。

「良太郎は心配性だなぁ、まったく」

良太郎は…いつもしていないはずの眼鏡を持ち上げて、少し口元を釣り上げて笑ってみせる。
『ウラタロスがいきなりお店手伝うなんて…なんか…怪しいかなって…』
「僕ってそんなに信用ないわけ?大丈夫ですって」
…そう、彼は野上良太郎ではなく、その体を借りたイマジン、ウラタロスだった。
【ったく、てめぇが店の手伝いとは、どういう風の吹き回しだ?】
良太郎とは別の声が頭に響く。同じく良太郎に憑いているイマジン、モモタロスだ。
【少しは心を入れ替えたんやろ…泣ける話や】
モモタロスの後ろで鼻をしゃくりあげるキンタロス。
【僕知ってるよ。どうせ、気になる子がお店にくるんでしょ】
その後ろでまたまた話に入ってきたのは、クレヨンで落書きに夢中で半ばウラタロスには興味なさげなリュウタロスだった。
『気になる…子?』
良太郎は見当が着かないようで、首を傾げた。
ミルクディッパーはどちらかというと、男性客の割合の方が多い。
『…女の子…だよね?』「僕に変な趣味押しつけないでよ」
ウラタロスは不愉快と言わんばかりにガクリと肩を落とした。

「いつもケーキを配達に来る女の子でしょ?
その子来る度にカメちゃんニヤニヤして気持ち悪かったんだよね」
明るいテンポで淡々と話し続けるリュウタロス…


『配達…もしかして、彩ちゃんのこと?』
不安を全面に出すと、良太郎は恐る恐る"気になる子"に該当するであろう名前を口にした。



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