仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 64 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜



「無理だよ…私ん家貧乏だし、借金があるから」
あすか自身、何度そう思ったか分からない。しかしそれは叶わない夢だと諦めてきた。現在の環境で自分がそんな事を出来る筈がない。頭ではわかっていた…だが、それとは裏腹に夢はあすかの心の中でどんどん大きくなっていった。
「そう…でも諦めちゃダメよ。信じることはきっと貴女の力になる筈だから」
女性はあすかの手を握り、そう励ました。
そして「念のため」と付け加え、借金をしている悪徳金融の社名を聞いてきた。特に断る理由もないので素直に話したが、一瞬その黄金の瞳に血に飢えた獣の姿が見えた気がした。
料金を払い、絵を片手にした女性が見えなくなった後も、あすかの手にその温もりが残っていた。
(そっか…始めから諦めてたら何もしてない事と同じなんだ。まず自分から動いていかなくちゃ、私が私を信じなきゃ…そこから始めよう)
あすかの体を爽やかな風が通り抜けた。
その風は此処にはいない、あの人のもとへ向かって行くような気がした。


エピローグ? END


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