仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 62 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜



何故か、言葉が出ない。
普段なら気の利いた会話を持ち掛け、モデルの緊張とストレスを出来るだけ抑えようとするあすかが鉛筆を片手に描くことしか出来なかった。
しかし流石に耐えられなくなったのか、あすかは手を進めながら、必死に思考を凝らして会話の種を探した。
そして、ある事に気が付いた。
「…日本人じゃないんですね」
「あら、わかるの?」
女性が驚く。どうやら図星のようらしい。
「はい…割りと何人も描いてきましたから。言葉のイントネーションは完璧で髪も黒いけど、輪郭が日本人のものじゃないし、その目はカラーコンタクトですよね?」
「凄いわ!初対面で見抜いたのは貴女が始めてよ」
そう言うと女性は瞳の中から黒いコンタクトレンズを取り出し、脇へ置いた。
その下に現れた眼は金色に輝いている。
「私はハーフなの。母がドイツ、父は日本人…最も、眼が金色なのは生まれつきだけどね」
心底感心したのか、似顔絵を描かれているのも忘れて無邪気に喜んでいる。
「あの…出来ればジッとしててもらえます?」
「あら、いけない。描いてもらってる途中だったわね」
そう言うと女性は態度を改め、凛とした表情をあすかに向けた。
その黄金の瞳は、良くも悪くも人間以外の何かを連想させた。


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