仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜(あいじさん作) - 59 | ケステーズ - 二次小説・SS投稿

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仮面ライダー〜THE MASKED RIDER〜



「お前が…あの二人を…?」
「勘違いしないでほしいね。あの二人は望んでショッカーを受け入れた。その見返りとして原田美代子の病は治したし、二人でいられる環境も与えた…僕らは与えただけ…君が全て奪ったんだ」
大使の言葉が胸に突き刺さる。
弁解も言い訳の余地もない…二人を『殺した』という事実は猛にとって真実でしかないからだ。だが…
「…俺は逃げない。この力を使う事が、戦う事が罪なら…全て背負ってやる。俺の力は未来を望む全ての命の為にある」
その瞳に『影』はなかった。怒りも憎しみも悲しみもない、強い輝き…なにより強い『覚悟』が満ちていた。
「暗闇によって与えられた力を使って暗闇に抗うということか…フフフ…面白い」
大使の表情が変わる。
畏怖と恐怖を司っていた毒蛇の眼が消え、新しい玩具を見つけた子供のような、好奇心に満ちた物になった。
「気に入ったよ本郷猛。僕はきっと、その答えを待っていたんだ」
不意に視界が歪み、大使の言葉が遠のいていく。微睡みに近いゆらぎが猛の五感を支配した。
「待て…大使…」
「さよなら本郷猛…また、暗闇の淵で逢おう」
その場に崩れ落ちた猛の耳に、大使の狂ったような笑い声がいつまでも響いていた…。



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